Adieu, mon frère.

これは悲しい物語ではない。 社会の片隅に生きるひとりの人間が、世界の片隅に生きたひとりの人間に救われた。そういう話だ。 — 昔々あるところに、男がいた。 男かどうか訊いたわけではないけれど、少なくとも表面的にはそうであったと思う。 朝から熱心に…

8年ぶりの台湾とタピオカミルクティー

先日、1日だけ休みをとって友人家族と久しぶりの台湾旅行に行った。 前回行ったのは2011年6月だから、もう8年も前もことだ。 直前に震災があり、旅行そのものを取り止めようかとも悩んだけれど、たいした被害を受けなかった人間が経済活動を自粛するのは逆効…

そろそろセクシャリティの話をしようか

セクシャリティ。性の属性、プロフィール。 最近はSNSでもこうした話題をよく目にするようになりました。 僕はそういった話を決してタブーだとは思いません。かといって、自ら積極的に話してもこなかった。それは、セクシャリティが政治や宗教と同じように、…

草花のこと 令和の春編

前回記事を公開した後で、改元について全然触れていなかったことに気がついた。 元々GW前に公開しようとしていた記事だったのでその辺何も考えていなかったのだけど、令和という名前は結構好きだし、めでたい雰囲気で改元を迎えられることがあるとは想像もし…

新宿四川フェス2019に行ってきました

さて、今年もやってきました四川フェス。 開催地は都庁を見上げる新宿中央公園。 今回は事情があって到着が午後になってしまい、かなり出遅れてしまったので、さっそくVIRGO BEERの飲み比べセットを注文。 ホワイト、モカブラウン、ブルーライチ、ピンクはち…

辛味ゼロ!とっておきの甘口グリーンカレーのレシピ

もう数ヶ月前のことなんですが、ある方から自宅で取れたコブミカンの葉をたくさんいただきました。 コブミカンは巨大化した山椒のような実をつける植物で、香りも山椒によく似ています。日本では山椒の方が定着しているせいかあまり見かけることがありません…

人生を変えた少し不思議な本と本屋の話

先日、めずらしく都市伝説系のツイートが流れてきて、リンク先のサイトを見ていたらふと思い出した出来事。 まだスマホもなかった時代。一人暮らしの高校生だった僕は、金はないけど時間だけは豊富に持ち合わせていて、夕方の街をあてもなく散歩するのが好き…

おせちを作る人になれたこと

我が家はいつもクリスマスが終わるとおせちの準備で忙しい。あれやこれやと買い出ししたり作ったり。息を切らせて準備する自分をもってして師走を実感するのが毎年の恒例となっている。 こんな風に書くと、あたかも古風で丁寧な暮らしをしているように見える…

不死鳥墜つ

父方の祖母と最後に会ったのは昨年の9月。 転んで足を悪くし特養老に入った祖母は、ほぼ寝たきりで過ごしていたせいか意識が虚ろになっていた。 ずいぶん前から同じ質問を何度も繰り返したり近しい親族を忘れたり、軽い痴呆の症状が出ても妻や息子の前ではな…

チグチとカシラのパテ・ド・カンパーニュ

あけましておめでとうございます。 なんやかやとバタバタしておりましたがようやく少し落ち着きました。本年も何卒よろしくお願いいたします。 さて、もう去年の話になってしまったけれど、何かと「平成最後の」が枕詞になった年の瀬、いよいよ『平成最後の…

イカすパーティー、イカパーティー

10月のある日、僕はひとりで早朝の新幹線に乗っていた。向かうのは大阪、鳳のとある食堂。こうして早起きして出かけることも、縁もゆかりもない土地へひとりで向かうことも、僕にとっては珍しい。旅の目的はイカパーティー。というと、なんだそれは、と思う…

秋の小さな冒険

このひと月はとにかく出歩いた日々だった。 前回ゲソタルトの研究開発と制作、報告記事をまとめたところでしばらく創作欲を使い果たし、代わりにたくさん動き回っていた。 その間にいよいよ涼しくなって秋本番。気がつけば暦の上では立冬も近いので、あれか…

ゲソのタルトが崩壊するまでの物語

事実は小説より奇なり。そう云われますが、世の中には本当に不思議な出会いがあります。例えば、昨年「放散虫、有孔虫に詳しい人の話を聞きたい」と何の気なしに呟いたら、2週間くらいして通りすがりの放散虫の妖精さんから素晴らしい講演を紹介されたりとか…

レモンマーマレードと自家製レモネード

8年くらい前から作ってきた国産レモンの手作りマーマレード。 ところが昨年7月を最後にスランプに陥り、何度挑戦しても固まらなくなってしまいました。そのあたりの顛末は過去2回記事にしています。 記事にしていないのも含めると4回ほど失敗していて、この1…

Anovaで低温調理 - 鶏胸コンフィと煮豚を作る

遅ればせながら、Anovaを購入しました。お料理クラスタでは有名なのでご存知の方も多いと思いますが、ご存知ない方のために一言で説明すると、家庭用の低温調理器具の名前です。 寸胴など高さのある鍋にセットしてコンセントを差し込むとBluetooth(Wi-Fiモ…

結婚記念日のごちそう

忘れっぽい僕のために覚えやすい日が良いだろうと妻が選んでくれた結婚記念日。おかげさまでこれまで忘れたことはありません。毎年何をするとかは決めておらず、外に食べに行ったり家で過ごしたり、プレゼントを贈ったり贈らなかったり。余計なことを決めな…

赤紫蘇のジュースとジンジャーシロップ

青梅の時期には赤紫蘇も出回る。梅干の材料なので当たり前といえば当たり前なのですが、梅ジャムを煮た翌週、義父から赤紫蘇が届いたので今度はどうしようかなと。 去年のちょうど今頃、ある人から「そんなに料理好きなら紫蘇ジュースを是非作ってごらん」と…

完熟梅でジャムを煮る

連日暑いですね。 暑いのは苦手ですが、旬を追いかけようとすると初夏はとても忙しい季節です。青梅が出回るのを皮切りに、赤紫蘇、新生姜、枝豆、すもも、桃、青唐辛子と時期の短いものがどんどん出てくるし、今年も、今年こそはと思う作りたいものが目白押…

草花のこと 荒川編

植物の同定練習、まだ続けています。 おはようございます。ゼニアオイっぽい道端の花。 pic.twitter.com/8ODA3wuR89 — kazh (@kazhomely) June 26, 2018 本当は後でまとめて見られるようハッシュタグを付けたいのだけど、いいのが思い浮かばない‥‥「へべれけ…

夢をカタチにするちから - ごちゃまぜCafeメムの話

先日、知人がカフェを開業したというので、仕事帰りに行ってきました。 知人と言っても、僕と店主の和泉さんは実は1回お会いしただけ。とあるイベントバーで僕が彼女の作ったカレーを食べて「美味い」と感想を漏らし、スイーツをいくつか食べ、さらにカレー…

一つずつ、取り戻す

以前は出来ていたのにいつのまにか出来なくなってしまったこと、やめてしまったこと。そういうものがいくつかあります。前回書いた「草花を見分けること」もその一つですが、他にもいろいろと。 このブログを始めるより前の話ですが、料理の作り置きも一時期…

草花のこと

僕は神奈川県横浜市の片田舎で生まれ育った。 横浜というとちょっとオシャレな街を連想してもらえる地名なのだが、実際は京浜工業地帯の発展に伴って造成された団地のど真ん中だ。「平成狸合戦ぽんぽこ」で狸たちが住処を追われた昭和のニュータウンを想像し…

しらす祭りとしらすオイルとしらす胡麻ごはん

ある金曜の夜、仕事から遅くに帰ったらステキなものが。 和歌山から直送の釜揚げしらす、それもこんなにたくさん。送ってくださった方からは「しらすごはんの時はお米としらすが1:1くらいで」とメッセージをいただきました。なんということでしょう。ありが…

フォローとリムーブを繰り返すアカウントの話

本当はこういうことを書くつもりのブログではないのですが、なんだか周囲でいろんなフォロワーさんが困惑されてるようなので。 Twitterである程度フォロワーが増えてくると、その中にフォローとリムーブ(フォロー解除)を定期的に繰り返すアカウントがある…

イマソラという「ぼくのえにっき」

ご存じの方も多いと思いますが、TwitterやInstagramのイマソラは文字通り「今の空」を撮って出しするハッシュタグ。ここを開けば、朝昼晩問わず色んな場所の色んな空を見られます。 僕は空を見るのも撮るのも好きで、今ではほぼ毎日(主に朝)挨拶代わりに投…

新宿四川フェス2018に行ってきました

先日、職場の料理好きな同僚に「最近、新しい麺料理を研究していて花椒油を作った」という話をしたら、それなら週末空いてる?と誘われ、新宿中央公園で行われた四川フェス2018に行ってきました。 四川フェスは今年で2回目になる催しで、昨年は1日だけだった…

真夜中に魯肉飯と花枝丸を作った話

僕はどうも社交的な人間だと誤解されることが多いのだけど、実際はどうにもならないコミュ障である。 知ってる人には「あんなにペラペラよくしゃべるやつがそんなわけあるか」とツッコまれるかもしれない。確かに僕は子供の頃からおしゃべりだったし、今でも…

パズーパンという甘美な食べ物

目玉焼きを頻繁に焼くようになったのは、妻と付きあい始めた頃。朝が苦手で基本的に朝食を作らない僕も、たびたび泊まりにくるようになった彼女にちょっと格好をつけたくて、朝からフライパンを振るようになった。好きこそ物の上手なれとは言うけれど、僕の…

失敗続きのマーマレードづくりから見えたこと

前回、レモンマーマレードづくりを派手に失敗した話を書きました。 a.parva.blue いろいろと考えた結果、いつもより多めにつくるのに苦みを怖れてペクチン液を弱めにしてしまったことが原因と結論付けました。なので、もう一度初心に返って、最初から丁寧に…

レモンマーマレードをつくったら失敗したけど新境地が開けた

レモンを使ってマーマレードを作ろうと考えたのは7年前。住んでいた下町の家のすぐ近所に果物屋さんがあって、そこで国産のレモンを安く売っていたのがきっかけでした。当時、都内では国産レモンの流通量がまだ少なくもの珍しかったし、安くて美味しそうだっ…