新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的に広がりをみせる昨今。
花見はしない方がいい、飲みにも行かない方がいい、旅にも出ない方がいい。そんな春が来るとは思ってもみませんでした。
今年はせっかく桜も早かったのに‥‥ねぇ。
この記事を書いている時点で、イタリアで死者1万5000人、アメリカで7000人。
こうした世界の惨状の中、人類の戦術は家に引きこもる以外にはなく、外出を制限されるのも致し方ないところです。
無許可の外出に対して、過酷な罰金や刑罰を科している国が実際にあることを考えると、国内の状況はまだしも恵まれていると言えるでしょう。
しかし、特効薬のない新型ウイルスを倒す唯一の武器は免疫力であるというのに、ないない尽くしのストレスはその肝心の免疫力を低下させかねません。
何が流行ろうと、世の中がどうであろうと、人生において楽しむことが必要不可欠なのも、また事実。だったら、と、これまで我が家でやってきた「楽しくて美味しかったこと」をまとめてみることにしました。
自宅で好き放題やる分には、外出自粛も都市封鎖も関係ありませんからね。守るべきものを守りつつ、美味しいもの食べましょうよ。
気分が上がる手作りクリームソーダの世界
まだまだ寒暖差の激しい季節ではありますが、暖かい日は初夏かと思うくらい暖かくなりました。
もしあなたが、昔ながらの喫茶店でクリームソーダを頼むと妙にテンションが上がるタイプの人なら、これからの時期、自宅でクリームソーダを作ってみるのはいかがでしょう。
必要なものは背の高いグラスと氷と炭酸飲料とアイスクリームのみ。
作り方は、クリームソーダ職人としても活躍されている写真家のtsunekawaさんの動画が参考になるでしょう。
ルビーのクリームソーダを作る動画。https://t.co/a7P2Ud4m63 pic.twitter.com/0cdyYWfhnf
— tsunekawaクリームソーダ職人/旅する喫茶の店主 (@tsunekawa_) 2020年4月1日
上手に作るコツは、まず炭酸飲料を冷蔵庫でよく冷やしておくこと。それからグラスに氷をみっちり入れて、アイスクリームと炭酸飲料が直接触れないようにすること。
アイスクリームと炭酸飲料が接触すると、溶け出したアイスクリームによってみるみるうちに大量の泡が発生して溢れだします。炭酸を注ぎ、アイスをのせたら、そーっとステアが基本です。
オランジーナの半透明バージョンにバニラアイスとレモンピール。
ソーダフロートを標榜する飲み物にアイスを上乗せ。上も下もアイスの味がします。
JAのジューシー甘夏スカッシュ。サッパリして美味しい。
琉球コーラでコーラフロート。アイスと氷の境目につくシャリシャリがたまりません。
苦味のあるレモネードで大人のソーダフロート。
フレーバー系のティーフロートも相性良し。
アイスクリームはスプーンでくり抜いても乗せられますが、本格的に取り組む場合はアイスクリームディッシャーがあれば申し分ありません。
我が家は昨年夏に購入しました。直径がいろいろあるので、グラスに合わせて選ばれるのが良いかと思います(ストローを刺したりチェリーを置いたりしたい場合は、気持ち小さめのものを選ぶことをオススメします)。
ちなみにこのディッシャーがあると、あんこをまん丸にしたり、マッシュポテトをまん丸にしたりといろいろ使い道があって、それもまた楽しいです。
餡バターという悪魔的な食べ物も、アイスクリームディッシャーで可愛くなります。
リモートワークは煮込み料理や低温調理に最適
東京ではもともとオリンピックに向けて都がリモートワークを推進しており、多くの企業が既に準備を進めていました。このコロナ禍でそれが前倒しされた、という方も多いのではないでしょうか。
リモートワークは通勤の手間が省けて会議も早く終わる反面、外出しないせいか、食事を用意するのが面倒になるというデメリットもあります。
そんな時、煮込み料理は最適です。
普段は敬遠しがちな時間のかかる煮込み料理も、今なら仕事をしている間に完成します。仕事を終えたら、あとはよそって食べるだけ。
もちろん、火事には十分注意が必要です。キッチンが見える場所で仕事をするのが前提ですし、キッチンタイマーも忘れずにかけてくださいね。
炊飯器や低温調理器具を使えば、より安全に調理することも出来ます。
時間がかかる煮込み料理の定番、牛すじカレー。
牛肉のワイン煮も時間をかければトロトロの舌触り。
下拵えも煮込むのも時間がかかるけど、その甲斐はあるトリッパ(ハチノス)の煮込み。野菜を油でじっくり炒めたソフリットは冷凍できるので、いろいろな料理を美味しくするのにも一役買ってくれます。
時間があればラーメンスープ(上湯)を炊くことだって出来ちゃいます。材料を寸胴に入れて6時間ひたすらコトコト。
圧力鍋の代わりに炊飯器を使うタンシチュー。焼いたタンと香味野菜と水を入れて炊飯し、終わったらそのまま数時間保温すれば下拵えが終わります。
低温調理の定番、鶏胸肉のコンフィ。塩をしてしばらく置いた鶏胸肉をジップロックに入れてオリーブオイルを注ぎ入れ、空気を抜いて63℃1時間半。
時間をかければローストビーフもこの通り。57℃で3時間半。そこから塩を振って1時間休ませる。
作りそうで作らない簡単なお菓子づくりに挑戦
外出自粛時に限ったことではありませんが、SNS上はお菓子づくりの上手な方々による美しい作品で日々溢れています。
でもケーキや菓子パンづくりといった粉仕事には技術やセンスが必要で、私には無理、オレには難しいよと思っている方も多いのではないでしょうか。
実は僕もその一人なのですが、大丈夫。本当に簡単で、それでいて綺麗な、作って楽しいお菓子もいろいろあります。
コーンスターチ、クエン酸、粉砂糖、食品用重曹があれば出来るのが、食べるとシュワシュワするラムネ菓子。基本的には分量を量って混ぜ、型にギュッと詰めて、しばらく乾かすだけで出来上がり。
ゼラチンと水あめ、砂糖で出来ているのがグミキャンディ。こちらは紅茶やジュースと混ぜて鍋で加熱し、シリコン型に入れて冷やすだけ。酸が強いと固まりにくいので、ぶどうや桃などがおすすめです。
水気を切ったヨーグルトにドライフルーツやシリアルをまぶして凍らせるだけの、ヨーグルトバーク。食べる時に蜂蜜やメープルシロップをかけるのが定番ですが、最初から砂糖やジャムを混ぜるのもあり。
手作りグラノーラの作り方は、押し麦と小麦粉にオリーブオイルやメープルシロップを混ぜてオーブンで焼くだけ。好みでかぼちゃの種、アーモンド、ドライフルーツなど好きなものを加えて一緒に焼けば、朝食にもおやつにもなります。
買ってきたものにチョイ足しで気分を盛り上げる
レシピを探して作るなんて面倒だな。そんな時には、出来合いのものをアレンジ。
いろいろな事態に備えて備蓄を増やしているご家庭も多いと思いますが、焼き菓子や冷凍食品、インスタント麺もほんの少しの手間でご馳走に。
コンビニやスーパーで売ってる一切れパウンドケーキにフルーツ蒸しパン、苺をのせたデザート。ちょっと高い苺をのせれば気分も上がります。白いのはレンジで溶かしたホワイトチョコレート。
同じくコンビニで売ってるワッフルにヨーグルトとオレンジピールとホワイトチョコ。
残り物で作る炒飯も、とろみを付けた濃いめの中華スープに浸せば名店の上湯炒飯に。炒飯はコンビニの冷凍ものでも構いません。
インスタントの豚骨ラーメンには和出汁で炊いた煮豚が合う。
こちらは鶏の水炊きのスープで作ったチキンラーメン。チョイ足しといえるかどうかはわからないけど、ものすごく美味しいです、はい。
色がよければ全てよし!?なるべく派手なものを食べてみる
僕は単純なので、食卓にあざやかな色彩があると、それだけで気分が楽しくなります。
美味しいものを食べながら怒ることは出来ない。ど派手なものに囲まれて落ち込むことはできない。人間って意外とそんなものかもしれません。
いつもは買わない食材も、この際だから手に取ってみませんか。
アーリーレッドとイエローアイコで牡蠣のオイル漬けのパスタ。
トマトカレーに黒豆煮。意外にも相性がいいです。煮込んだトマトと豆の組み合わせは南米などでよく食べられますよね。
アラスカ目抜のアクアパッツァ。オリーブと黄色いトマトで華が出ます。
油通しした茄子とフレッシュトマトと〆鯖のマリネ。
アボカドディップにスモークサーモン。
塩トマトしらすご飯。質の良い釜揚げしらすを手に入れたらぜひ。
ピータン豆腐に菊花とパクチー。
ホールトマトの味噌汁。トマト缶は貴重な「保存できる野菜」でもあります。
ゆかり(赤紫蘇ふりけ)と鮭ときんぴら牛蒡のスパゲッティ。きんぴら牛蒡は惣菜缶詰としても売られています。
季節の仕事で落ち着きを取り戻す
今回のコロナ禍は言うまでもなくさまざまな方面に影響を及ぼしており、経済的な不安もあるし、ニュースに気を配り、慣れない形で仕事や育児をこなし、季節なんて感じる余裕も無いという方もいらっしゃるかもしれません。
でも、今回は長期戦です。長期戦に大切なのは、戦いながらも気力や体力を養うこと。
もしほんの少し余裕が見えたら、もし運良く季節の食材を見かけたら、季節の仕事にも挑戦してみませんか。
春は筍の季節。筍ご飯、美味しいですよね。硬い皮に切れ目を入れて米糠で茹でるのはちょっと面倒ですが、新鮮な筍で作る筍ご飯は別格です。
硬い根元は若竹煮に。白い結晶のようなものはチロシンというアミノ酸の一種。ドーパミンの前駆体(正確にはドーパミンの前駆体であるL-ドーパの前駆体)で、ストレス条件下の脳機能維持に効果があるという実験結果が出ています。
5月頃から新生姜が出回ったらオススメしたい無水ジンジャーシロップ。スライスした新生姜に同重量の砂糖をまぶして30分ほど置くと大量の水分が出るので、その状態で鍋に入れ、レモン汁を加えて煮沸するだけ。炭酸で割ればドライジンジャーエール。
というわけで、如何だったでしょうか。実にまとまりのない記事で申し訳ありません。
この事態にあって、とある友人が当ブログの過去記事を読み料理を作ってくれたことを知り、敢えて今こうした記事を書くことを決めました。このような状況下でも、人生の楽しみを見出す何らかのヒントになれば幸いです。
世界では罹患者数が既に120万人を超え、死者は6万5000人に達しようとしています。
ピークカット戦略を取っている日本は、地理的条件もあり、欧米に比べて感染者の増加は緩やかですが、その分、事態が収束するには長い時間が必要です。患者数は増え続けており、まだピークにすら達していません。
政府に文句があろうと、職場に文句があろうと、自分たちの人生を握っているのは、自分たち自身でしかない。
だからこそ、手に入るもので楽しく料理して、それを美味しく食べ、よく笑い、よく眠り、病気を正しく恐れ、願わくば誰も理性を失うことなく、この困難を乗り越えることができますように。
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