本当はこういうことを書くつもりのブログではないのですが、なんだか周囲でいろんなフォロワーさんが困惑されてるようなので。
Twitterである程度フォロワーが増えてくると、その中にフォローとリムーブ(フォロー解除)を定期的に繰り返すアカウントがある、とお気づきの方も多いと思います。特にスマホ1つでどうたら的なビジネス系と、あまり流行ってなさそうなメディアのアカウントに多いですね。
最近、僕の周りで大変しつこいと評判になっているのがオリーブオイルをなんちゃらというアカウント。一応どこぞの会社がやっているフードメディアの宣伝アカウントのようなのですが、僕のアカウントに対してもずいぶん前からひたすらフォローとフォロー解除を繰り返しています。僕はもともとそういうのをあまり気にしないタイプだし頻度もそれなりなので別にいいのですが、人によっては1日に何度も何度も繰り返されているらしく、怒りが頂点に達している方もいらっしゃいました。事実だとするとちょっと普通では考えられないレベルです。
先に結論を言ってしまうと、世の中にはTwitterを機械運用するツールがあり、放っておくとひたすらフォロー/リムーブを繰り返してくるアカウントは十中八九そういうものを使っています。特定のハッシュで呟くと常に0秒でいいねされたり、フォローした瞬間にDMが飛んできたりするアカウントも同様です。ただ、自動化ツールの全てが悪質というわけではありません。膨大なフォロワーさんのチェックや予約投稿に使っている方もいらっしゃいますし、規約に違反しない限り自由かなと僕は思います。
それにしても、いいねやDMはともかく、フォローとリムーブを繰り返すのはいったいなんなんだと思う方もいらっしゃるかもしれません。あれは、フォロワーを自動的に増やす一番簡単なアルゴリズムの結果です。
- ユーザーを片っ端からフォローする
- フォローすると一定割合のユーザがフォローバックしてくれる
- フォローできる数(というかフォロワーとの比率)には制限があるので、一定期間を過ぎてもフォローしてくれないユーザはフォロー解除する
- 解除して余ったフォロー枠分、またフォローする
こうすると勝手にフォロワーが増えていくんですね。Twitterでビジネスやるならこうするべき!みたいな指南サイトもよく見かけます。
僕自身はそういうツールを作っているわけでも使っているわけでもないので実際の動作まではわかりませんが、フォローする対象は特定のキーワードを含むツイートをしたユーザーであったり、他にも恐らくフォローバックしたアカウントのフレンドであったり、そのアカウントにいいねした人であったり、つまりフォローバックの可能性を最大化するように出来ているはずです。少なくとも「特定キーワードで呟いた人を自動フォロー」というのは、昔からフォロワーを自動増加させることを謳う悪質なツールの常套句でしたし、Twitterのガイドラインでも度々見かけるワードなので、この手のツールの標準動作なのだと思います。
ちなみにこれをやるのは明確な規約違反です。
Twitterデベロッパーサイトのフォーラムを見ると、Twitterスタッフによる「ポリシーの明確化」と題されたお知らせの中で「反復的にユーザーをフォローしたりアンフォローすることは、スパム行為の一種であり、決して許可されません」と書かれています。
こういう自動運用に対する処置は年々厳しくなっており、今は自動いいねや過剰な自動リツイート、フォローしてくれた人を自動フォローバックするのもダメです(昔はフォローされたらお礼にフォローバックするみたいなツールがよく使われていたので、ダメになった時に話題になったことを覚えている方もいらっしゃるかもしれません)。
気になる方はTwitterの自動化ルールを読んでみると良いと思います。
売れる前のメディアには必ず悪魔のささやきみたいな営業が来ます。フォロワー買いませんか、とか、フォロワーが驚くほど増えるツールがありますよ、とか。バックリンクを大量に作って順位を上げると謳っていたSEO会社みたいなものです。こういう汚いSEOはGoogleによってことごとく潰されましたが、Twitterも運営によって自動運用アカウントに対する大規模な粛清(アカウント凍結)が何度も行われています。それでも、そうやって使えなくなると新バージョンの宣伝が来るんですから、イタチごっこなんだなぁというところです。
そういう実情を知っていることもあって、僕はあまり気にしないことにしています。
前に一度、全く同じ紹介文で同じ事を呟いている2つのビジネス系アカウントから全く同時にいいねされた時はさすがに笑ってしまいましたが。どういうアルゴリズムだか知らないけど、こんなツールを買わされた人も可哀想だな、と。
ちなみにこうした同一内容を発信するマルチアカウントも、完全な規約違反です。
こういうツールがフォローバックしない人に対して何度も何度もアタックしてくる現象については、何らかのバグなのか、使用者が使い方をミスっているのか、或いはそれでフォロワー数が増えるというマーケティングデータがあるのか(つまりブラックなユーザー最適化の結果なのか)、そこまではちょっとわかりません。
ただ、ここ最近のWebマーケティングの世界ではリマーケティング広告(リターゲティング広告)というのが流行っており、あるサイトを見に行ったユーザをずっと追跡してそのサイトの商品やサービスのバナーを見せ続けるという手法が常態化しているのは確かです。僕なんかはそういうことをされると好きだったものまでだんだん嫌いになるのですが、GoogleでもYahooでも広告を打つ時には当たり前の設定になっているので、ストーカーのように人を追いかけ回す広告には確かに一定の効果があるのでしょう。フォロー、フォロー解除の繰り返しもそういう効果を狙っての機能だったりするのかもしれません。(念のためもう一度言っておきますが、これは利用規約違反ですからね。絶対真似してはいけません)
ちなみに件のメディアサイトの内容自体は別におかしくはないというか、普通でした。あんまり特筆すべき点はありません。「このサイトについて」を読むと何故かやたらお父さん向けであることを推しているのが気になりますが、それくらいです。お父さん向けなのに何故Twitterのユーザ(特に料理クラスタ、ご飯クラスタは女性が多い)を絨毯爆撃するようなマーケティングをやっているんでしょう。理解できません。
GoogleにしろTwitterにしろ、ユーザコンテンツを扱うシステムはどこも質の良いコンテンツを集めることをビジネスの要としており、おかしなことをして不正に数字を増やしたりせず、こつこつ良いものを積み重ねなさいという方向性です。技術者も良いものを生み出す真面目な人が得をするように頑張っていますので、決して、目の前の誘惑に飛びついたりしませんよう。