草花のこと 荒川編

植物の同定練習、まだ続けています。

本当は後でまとめて見られるようハッシュタグを付けたいのだけど、いいのが思い浮かばない‥‥「へべれけ部」「中年干物倶楽部」みたいないいタグないかな。思いついたら教えてください。

さて先日、めずらしく家で一人の日があり、買ったばかりのマクロレンズを抱えて荒川の河川敷まで行ってきました。一人の時に食材の買い出し以外で用もなく出かけようとするなんて、本当に僕らしくない。興味一つでずいぶん人は変わるものです。

ともあれせっかくのぼっちタイム、時間も道順も気にせずぶらぶらと行くことに。今はいざとなったらGoogleマップを見ればどうとでもなる時代。とりあえずなんとなくの方角だけアタリを付けて、スマホは見ずに適当に進んでいきました。知らない道を往けば隣近所も別世界。

途中たまたま見つけた大きな歩道橋。

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意味もなく登ってみる。

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せっかくベンチがあるのでしばらく座ってみたけど、陽射しが強くてひたすら暑かった。しかし自由は謳歌した。

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登った所からまた降りるという行為が、歩道橋そのものの存在意義を塗り替えるようで清々しい。

隅田川の支流、新河岸川。

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隅田川の支流といっても、少し上流の朝霞水門では荒川に合流しているし、逆に荒川から隅田川が分離するその直後に今度は隅田川に合流している。この辺りはターミナル駅の線路のようで面白い。

さらにゼンリンの地図によれば今いる船渡大橋のあたりで新河岸川から名前が隅田川に変わっている。

つまり、こっち側は隅田川。左端に見えているのは船渡水辺公園の水場。この日は柵が閉まっていたけど、泥の浅瀬になっていた。ここは少し川幅が広くなっていて流れが緩やかなので、地名からしてこのあたりに渡し舟の桟橋があったのかもしれない。

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橋のたもとで知らない花を発見。花火のような綺麗な花を咲かせた多肉植物マツバギク。マンネンソウ以来、多肉のぷにぷに感が好きになってきてます。

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Amazonの多摩川、ASKULの荒川(適当)。巨大な物流倉庫が現れると大きな川が近いなって感じがする。

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途中でコンビニに寄ったりしつつ、荒川河川敷に到着。

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ところで川岸の堤防を登り切る瞬間ってなんかワクワクしませんか。トンネルを抜けたら海!みたいな一気に視界が開ける感じ、僕はとても好き。

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マツバギクいっぱい。植えられたものが増えたんだろうな。

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前には行かなかった草むらの方に行ってみる。思ったより草の背が高くて、近づいてみると草むらというより藪でした。

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さて、10分くらい歩き回っても座れそうな場所が見当たらなかったので、堤防に戻って休憩。途中のコンビニで仕入れたものを取り出す。まあ、せっかくの休み、せっかくの一人だからね。冷たいうちに。

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初夏の荒川には虫取り網を持った父子がたくさんいて、遠からず僕もあちら側に行くんだな、なんて感慨に耽ってみたりして。

川沿いの風に吹かれながら、つまみ片手にのんびりYEBISU飲んで大満足。さあ帰ろう!

いや違う。草花を探しに来たんだった。気を取り直して再び川縁の藪道へ。

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こうして藪の中を突き進むことを「藪漕ぎ」とか「藪を漕ぐ」というのだそう。確かに藪の中を歩いていると手が自然に立ち泳ぎのようなスタイルになる。

黄色と黒の派手な花は恐らくハルシャギク。

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ハルシャというのはペルシャのことらしい。コスモスの和名がオオハルシャギクという間接知識も手に入れた。

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ナミテントウ、だと思う。ホシが14個だとシロジュウシホシテントウの暗色型という線もあるみたいだけどホシが大きいのはナミテントウだと思っておく。

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これはなんだろう。実なのか蕾なのかわからなかった。

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この可愛い花はヤブジラミというらしい。

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小さな白い花がいっぱい付いてこんなに可愛いのに、実が虱に似てるからという理由でヤブジラミ。そりゃないだろう。同級生の女の子の産毛がちょっと濃いだけで「腕毛マン」とかあだ名つけちゃう小学生男子くらいないわ。

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たくさん写真を撮った後、藪を抜け出して野鳥観察デッキへ。サンクチュアリ‥‥聖域‥‥?

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見渡す限り何もいない‥‥。

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でも足下に小さな海老らしき生き物がたくさんいて、足音を立てる度にピシャピシャと波紋を伴って逃げていった。写真には写らないけど音が楽しい。

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向かいのサンクチュアリは静けさに包まれていた。水面の波紋から生き物の気配はするけど姿は確認できず。望遠レンズを持っていればいろいろ楽しいのだろうけど。

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戻る途中でカニを発見。体長15cmくらいのクロベンケイガニ。厳つくてすね毛がすごい。

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堤防まで戻ると、お迎えが来たかのような夕空が広がっていた。

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実際、西日に当たるとすごく疲れる。川沿いの強い風もまた体力を奪う。本当に召されてしまわないうちに帰ろう。

と思っていたのだけど、途中、「にりんそう公園」という看板を目にして、すごく気になってまた寄り道。

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ニリンソウの季節は終わってワルナスビが咲いていた。

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僕でもわかるネジバナ。

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実はアップで撮るとすごく綺麗という話を最近読んで悔しがっている。

摘んでくれば良かったんだろうけど、研究のためだけに摘むのはまだ罪悪感がある。せめて贈る相手がいる時ならまた意識も違うんだけど。

トリテレイア。普段、園芸品種にはあんまり興味が湧かないけど、この時はあまりに綺麗な青の組み合わせにしばらく魅入られてしまった。特に葯の水色っぽい青が気に入って、実は今でも思い出すと少しドキドキする。

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僕には美しいものを美しいと認識する回路が1つしかなくて、見たものが絵でも花でも空でも料理でも異性でも同性でも反応は変わらない。まるで青いドレスに青い靴、青いパラソル。同系色で、かつ絶妙に違う色。青をこんな風に纏う人がいたらやっぱり見惚れてしまうと思う。

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今年すごく好きになった額紫陽花を見ながらの帰り道、なんだか面白い店を発見。「見つける」モードの日は不思議と普段目につかないものが見つかる。

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喜び勇んで鹿串と猪串!と注文したら開店したばかりで火が入ってないというので、既に出来てるエンパナーダをテイクアウトして、ようやく帰宅。

エンパナーダってどう見ても揚げ餃子だよね。どっちからどう伝わったんだろう。それとも、粉食文化における一種の収斂進化?

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ともあれ草花欲も充たされて結果的に食欲も充たされた、ある日の小旅行でした。楽しかった。

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