オイルサーディンと筍の煮物の作り方

感性を動かしてくれるもの。
絵、音楽、文章。
僕にとっては食事も、その一つです。

美味しい料理を出してくれる店は星の数ほどあるし、自分で作ることだって、好奇心と記録とほんの少しの勇気があれば、おそらく誰にでもできる。
でも、それは食事という出来事の、ほんの一部。

誰と、どんな場所で、どんな話をしながら、何を食べ、何を感じ、何が残ったか。
食事とは再現することのできないライブであり、一期一会の出会いであり、別れのようなもの。だからこそ、心に残る食事は人生の宝だと思うのです。

僕には、心の奥底に染み入る、忘れられない食事の経験が何度かあります。
それを覚えていられることは、本当に幸いなことです。

さて、そんな日に相応しい料理を一つ。
といってもこれは僕が考えたものではなく、とあるバーで出されたもの。
バーメニューはだいたい簡素な設備でささっと作るので、簡単で気の利いたものが多く、いつも学びがあります。
レシピを訊いたわけではないけれど、気に入って何度も作ってきたので、ここでお裾分け。

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といっても、若竹煮の若布をオイルサーディンに変えるだけなので、それでわかるわ、という方はご自身のレシピでお作りになってください。
きっとその方が美味しいし、素敵な食事になります。

オイルサーディンと筍の煮物

◆材料(2~3人分)

  • オイルサーディン・・・1缶(100g程度)
  • 筍の水煮・・・1本
  • だし汁・・・1カップ
  • 醤油・・・大さじ1~1.5*1
  • みりん・・・大さじ1

◆作り方

  1. 筍を半分に切り、たっぷりの湯で10分~15分下茹でして臭みを取る。水煮の臭みが苦手な方は、茹で湯にお酒を少し。

    f:id:kazhomely:20171229221654j:plain付着している白いものは結晶化したチロシン。水に溶けないので下茹でしても残りますが、ノルアドレナリンやドーパミンの分泌を促すアミノ酸なのでそのままにしておくのがおすすめ

  2. 筍をザルにあけ、2等分された筍をさらに縦半分に切って4等分。根元の方は1cmくらいの厚さに、穂先は長めに残す(さらに縦半分にしておくと美しいですが今回は忘れました)。

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  3. 鍋に筍を入れ、だし汁と醤油、みりんを加えて火にかける。沸騰したら中火で7、8分。

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  4. オイルサーディンを加える。

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  5. 弱めの中火で5分。オイルサーディンは柔らかいのでなるべく触らない。そっと。

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  6. 煮上がったらしばらくそのままにして、味が馴染んでから盛り付ける。

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木の芽でもあれば添えてください。
簡単で、ご飯にも日本酒にも洋酒にも合う一品です。

言葉にならない想いが後からじんわりとお腹をあたためてくれる。
これを読んでくださった方の生きる道が、そんな食事と共にありますように。

*1:若竹煮に添うなら醤油は大さじ1。酒のつまみにするなら1.5くらいでも良いと思います

我が家のクリスマス

料理を作る立場になると、クリスマスほど難しい行事はないなと思う。

普通、祭事と食べ物はだいたいセットになっている。
お正月ならお節に雑煮と決まった料理があり、それぞれに意味づけもされている。
感謝祭には七面鳥、ハロウィンや冬至には南瓜、正月七日には七草粥。
ところが、クリスマスにはそれがない。

これほど浸透した行事なのにも関わらず、これを食べればクリスマスという明確な料理がない。だから毎年、なんとなく鶏肉の何がしかを用意し、なんとなく赤と緑をあしらった洋食を考えてこしらえることに苦労する。

或いは僕が知らないだけなのかもしれないと欧州各国のクリスマス伝統料理も調べてみたけれど、やっぱり統一性がない。

matome.naver.jp

こうして今年もクリスマスがやってきた。
12/23、24が土日なので、23日を前日、24日を本番として扱うことにした。

まず23日の夜に作ったのは、北欧伝統のグロッギ。
シナモン、クローブ、カルダモンなどのスパイスを煮出して温めたワインと合わせたグリューワイン。数年前に作って以来、とても気に入っている。アルコールを摂りたくない時にはグレープジュースやクランベリージュースでも出来るし、寒い夜に一息つくにはとても良い飲み物だと思う。

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今回はスターアニス(八角)と陳皮も入れてみた。ここまできたら屠蘇散をワインに入れておけば良いのではないかとも思う。今度やってみよう。

24日のお昼はポルチーニ茸のクリームパスタ。

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数ある茸の中で、どの香りが一番好きかと言われたら、僕はポルチーニかもしれない(モリーユよりも好き)。特に乾燥ポルチーニの出汁は本当に美味しい。

思いつきで入れたあさりとブルーチーズの旨味、ドライトマトの代わりに入れた製菓用のドライチェリートマトの甘酸っぱさが思いのほかポルチーニとよく合った。

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ディルとピンクペッパーで少しクリスマスっぽさを演出。
さぬき麺心の生フェットチーネは最高です。

お次は、林檎のキャラメリゼ。
数日前にお銀さん(id:m-chou06181120146)に焚きつけられて、これは作らないわけにはいかないと意気込んでいた。

色んなレシピを調べながら作りました。基本的にはお砂糖をカラメルにして林檎を軽く煮る。今回はメープルシロップも使って、シナモンも忘れずに。

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一口食べたら、これアップルパイじゃん!!と興奮した。普段ならバニラアイスか何かにのせてもう大満足なレベル。

でも、これだけで終われないのがクリスマス。
続けてクリームチーズとバターを溶かしてホットケーキミックスやら砂糖やら卵やらと混ぜ、フライパンチーズケーキの作法に則って蓋をした鍋で焼き、半分の厚さに切って、生クリームをホイップしてラズベリーピューレを混ぜたものを塗る。
字で書くと簡単だけど、温度やら時間やら結構気を遣う。

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生地の中のレーズンっぽく見えるのはブルーベリーの粒ジャム。顆粒状になっていて、製菓や製パンの時に生地に混ぜて焼くと溶けてジャムになるという優れもの。

tomiz.com

最後にキャラメリゼを円く飾ってできあがり。

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本当はもっといろいろのせようと果物や冷凍ベリーや飾り菓子を用意していたのたけど、林檎が思いのほか大きくてスペースがなかった。

ケーキを一旦冷蔵庫にしまって、今度はディナーの準備。

本当はホワイトシチューを作ろうと思っていたのだけど、なんだか疲れた体に重たそうなので、クラムチャウダーに変更。

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具は牡蠣と帆立とあさり。いちおう全て二枚貝なので、クラムチャウダーの定義からは外れていないはず。まあ海老も入れちゃったけど。

というわけでディナーが完成。
ローストキチン、クラムチャウダー、スモークサーモンのサラダ、柿とモッツァレラとハモンセラーノのカプレーゼ、チーズ三種。

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チーズはスペインのイベリコ、カブラアルヴィーノ、マンチェゴ(3ヶ月熟成)という三種類で、どれも羊や山羊の乳のチーズ。僕は山羊チーズが大好きなのでワインが進む。

入浴後に紅茶を入れてもらって、ケーキを食べてみる。

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断面を見ると素人仕事なのがまる出し。パティスリーの仕事は本当にすごい、とても真似できない。でも味はまあまあ美味しかった。特に林檎のキャラメリゼは美味い。作ってよかった。

ひたすら料理と食事しかしていない。

楽しいが、疲れる。
疲れるが、愉しい。
それが我が家のクリスマス。

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首と足腰にきてるので、今日は早めに休まないと。それでは、メリークリスマス。

 

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からだが温まるトマ豚汁のレシピ

9月にまーたろーさんから教えていただいたニンニク生姜入りの豚汁。

とても元気が出て美味しくて。いろいろ凹みっぱなしだった心身に活が入ったので、気に入って何度も作るうち、洋食でも出せる豚汁はないものかと。そんな発想から生まれたレシピです。

ちょうど人からズッキーニをいただいた時に考えたので、ベースはラタトゥイユ。
冬なのに材料が夏野菜ばかりでちょっとアレですが、入れる具材はいろいろアレンジしてみてください。

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トマ豚汁の作り方

◆材料(3~4人分)

  • 豚肉・・・200g程度
  • 長茄子・・・1本(普通の茄子なら2本)
  • ズッキーニ・・・1本
  • ニンニク・・・2片
  • 根生姜・・・1cmくらい
  • トマト缶・・・1缶(400g)
  • 白ワイン・・・100cc程度
  • コンソメ・・・小さじ2
  • 味噌・・・大さじ1~2
  • 塩胡椒・・・少々

◆作り方

  1. 茄子とズッキーニを1cmくらいの厚さに切る。

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  2. 豚肉は厚さ5mmくらいに。僕は塊肉の方が元気が出そうで好きですが、別にバラスライスでもコマでもなんでも良いです。

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  3. 豚肉を軽く焼く。フライパンを使っていますが、最初から鍋でも構いません。どうせ煮込むのでこの時点で火の通りは心配しなくて大丈夫。

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  4. ズッキーニと茄子を加えて、塩胡椒して弱火で10分程度。油をしっかり吸わせる。

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  5. ニンニクと生姜をすりおろしておく。

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  6. 茄子が半透明になったら鍋にあける。

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  7. トマト缶と、コンソメ、ニンニク、生姜を投入。空いたトマト缶にワインを入れ、残りを水で埋めて鍋に入れる(つまりトマト缶と同量の水分を加える)。

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  8. 最初は強火で、沸騰したら蓋をせず弱めの中火で15分~30分。ズッキーニが柔らかくなればOK。どのくらいトロトロにするかはお好みで。

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  9. 火を止め、味噌を溶く。正直に言うと味噌を大さじ小さじで扱ったことがないし、ものによって味の濃さも全然違うので、分量は適当に書いてます。うちの味噌ではこのくらい(写真)。

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今回は入れませんでしたが、初回は人参も入れてました。

ドロッとした濃厚スープがお好みの場合は、もっと煮込むか水分量を減らしてください。豚肉とトマトとニンニクと味噌が奏でる不可思議な美味しさが味わえれば、つまるところなんでもトマ豚汁です。

ドライトマトなんかを加えてもまた美味しそう。