父の背中

先日、何気なくGoogle検索していたら、なんとも思いがけないものを見つけた。 とある古書店のサイトで、『VOU』という古い雑誌のインデックスに、父と同姓同名の名前が書かれていたのだ。 『VOU』というのは、明治から昭和の半ばまでを生きたモダニズム詩人…

美味しくやせる!和風炊き込みリゾットのススメ

皆さんは「やせたい!」と思ったことがありますか? 正直、僕は今まであまり真剣に考えたことがありませんでした。というのも、食が細く痩せっぽちの子供だった僕は、食べても食べても体格が変わらず、むしろ「食べなきゃ、食べなきゃ」という強迫観念のよう…

パズーパン・コレクション2020

パズーパンという食べ物がある。 ある、といっても、僕が勝手にそう呼んでいるだけなのだが。 ジブリ映画「天空の城ラピュタ」の中で、身寄りのない機械工の少年が、空から降ってきた少女との逃亡生活中に振る舞った目玉焼きのせパン、といえば、見覚えのあ…

外出自粛の今だからこそ美味しいものを食べよう

新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的に広がりをみせる昨今。花見はしない方がいい、飲みにも行かない方がいい、旅にも出ない方がいい。そんな春が来るとは思ってもいませんでした。この記事を書いている時点で、イタリアで死者1万5000人、アメリカで7000…

トマムで雲海を見たら家に帰れなくなった話

もうずいぶん前になるが、今年は久しぶりに北海道に行った。 今の職場には、いわゆる社員旅行の代わりとして、前年度の全体業績に応じて社員の交流企画に補助を出す制度がある。昨年度はそれなりに業績が良かったので、それなりの金額が支給されることになっ…

Adieu, mon frère.

これは悲しい物語ではない。 社会の片隅に生きるひとりの人間が、世界の片隅に生きたひとりの人間に救われた。そういう話だ。 — 昔々あるところに、男がいた。 男かどうか訊いたわけではないけれど、少なくとも表面的にはそうであったと思う。 朝から熱心に…

8年ぶりの台湾とタピオカミルクティー

先日、1日だけ休みをとって友人家族と久しぶりの台湾旅行に行った。 前回行ったのは2011年6月だから、もう8年も前もことだ。 直前に震災があり、旅行そのものを取り止めようかとも悩んだけれど、たいした被害を受けなかった人間が経済活動を自粛するのは逆効…

そろそろセクシャリティの話をしようか

セクシャリティ。性の属性、プロフィール。 最近はSNSでもこうした話題をよく目にするようになりました。 僕はそういった話を決してタブーだとは思いません。かといって、自ら積極的に話してもこなかった。それは、セクシャリティが政治や宗教と同じように、…

草花のこと 令和の春編

前回記事を公開した後で、改元について全然触れていなかったことに気がついた。 元々GW前に公開しようとしていた記事だったのでその辺何も考えていなかったのだけど、令和という名前は結構好きだし、めでたい雰囲気で改元を迎えられることがあるとは想像もし…

新宿四川フェス2019に行ってきました

さて、今年もやってきました四川フェス。 開催地は都庁を見上げる新宿中央公園。 今回は事情があって到着が午後になってしまい、かなり出遅れてしまったので、さっそくVIRGO BEERの飲み比べセットを注文。 ホワイト、モカブラウン、ブルーライチ、ピンクはち…

辛味ゼロ!とっておきの甘口グリーンカレーのレシピ

もう数ヶ月前のことなんですが、ある方から自宅で取れたコブミカンの葉をたくさんいただきました。 コブミカンは巨大化した山椒のような実をつける植物で、香りも山椒によく似ています。日本では山椒の方が定着しているせいかあまり見かけることがありません…

人生を変えた少し不思議な本と本屋の話

先日、めずらしく都市伝説系のツイートが流れてきて、リンク先のサイトを見ていたらふと思い出した出来事。 まだスマホもなかった時代。一人暮らしの高校生だった僕は、金はないけど時間だけは豊富に持ち合わせていて、夕方の街をあてもなく散歩するのが好き…

おせちを作る人になれたこと

我が家はいつもクリスマスが終わるとおせちの準備で忙しい。あれやこれやと買い出ししたり作ったり。息を切らせて準備する自分をもってして師走を実感するのが毎年の恒例となっている。 こんな風に書くと、あたかも古風で丁寧な暮らしをしているように見える…

不死鳥墜つ

父方の祖母と最後に会ったのは昨年の9月。 転んで足を悪くし特養老に入った祖母は、ほぼ寝たきりで過ごしていたせいか意識が虚ろになっていた。 ずいぶん前から同じ質問を何度も繰り返したり近しい親族を忘れたり、軽い痴呆の症状が出ても妻や息子の前ではな…

チグチとカシラのパテ・ド・カンパーニュ

あけましておめでとうございます。 なんやかやとバタバタしておりましたがようやく少し落ち着きました。本年も何卒よろしくお願いいたします。 さて、もう去年の話になってしまったけれど、何かと「平成最後の」が枕詞になった年の瀬、いよいよ『平成最後の…